通常学級における特別支援の必要な子どもの理解と効果的な支援の方法
- No.7 -
1.発達障害児の発達グレードと発達支援
通常学級に在籍している発達障害の子どもの発達の様子は、文科省の調査結果を見ると、3段階に分けられている。
どの発達段階にいるかによって、発達支援治療指導の方法が変わってくるものである。
(1) 対人関係やこだわり等の問題を著しくする段階
(2) 「不注意、多動性、衝動性」を示し、指導困難な段階
(3) 「聞く、話す、読む、書く、計算する、推論する」などに著しい困難を示すものの3つに分けられる。
発達の段階によって治療指導、発達指導の方法は全く異なるものである。
(1) と (2) の段階は、発達支援の目的は、発達障害の中核障害を示しており、現在のところは、有効な方法は全人格発達支援方法であるが、2歳を過ぎる程に効果が少なく、小学生には有効な方法が見当たらない。(参考、金子保著「2歳で言葉がないか増えない子、様子を見るのは危険です」)
2.軽度の発達障害は前経験の発見と学習が必要
学校で最も困難度が高いのは、「聞く」に対する態度である。発達障害型学習障害の中核の障害で、聞くように指示しても従うものではない。園児期においても、この聞く態度の未発達が中心の課題であるが、小学生では効果は大変に少なくなってしまう。呼びかけなどが有効なこともみられるので利用したい。
読む、書く、計算するなどの方法については、前学習を見つけ、これを一つ一つ経験させることで、学習効果を見ることができたので後述したい。
この前学習経験は、幼児期の知性を育てる遊び体験であることが分かってきたので、これらをまとめてみたい。
教育新聞掲載 文責 NPO法人教育研究所所員・さいたま市教育相談センター所長 金子保