通常学級における特別支援の必要な子どもの理解と効果的な支援の方法
- No.6 -
1.幼児期には多くの行動のゴールドエイジがある
小学校高学年になると野球などに興味を増し、能力を高める希望が高まる子も多いが、ものを投げる行動には、腕投げをする子と全身投げができるようにするには、この前の体験をしておかないと、小学校高学年で始めても、その能力は身につかないと言う。
このことから、全身投げのためには、幼児期にこの体験をしておく必要がある。この体験こそがものを投げるゴールドエイジと言う。
調べてみると、近年分かってきている能力のゴールドエイジが幼児期に数多くあることが分かってきた。
2.各能力のゴールドエイジの発見とその体験が重要
充実学習は一般的な学習であるが、ゴールデンエイジの欠落は、積み重さなっていくはずの学習を成立させないことになり、これが近年の小学生の問題であることを考えると、小学生の学習問題は、種々のゴールドエイジの発見と追体験が求められることになる。
この学習体験の発見と追体験の実施が小学校1年生問題の解決の手法であることがわかった。
幼児は転ぶときに手が出ないで顔をけがする子が多くなっている。幼児は顔を、小学生は頬をけがすると言う。このゴールドエイジは1歳台の幼児期の転び体験のようだ。
米国の報告では、空間知覚能力が欠落して迷子になる子が現れていると言う。3+4の暗算能力も幼児期にゴールドエイジのあることが分かってきた。これらの視点から、子どもの学習の見直しが求められている。
教育新聞掲載文責 NPO法人教育研究所所員・さいたま市教育相談センター所長 金子保