通常学級における特別支援の必要な子どもの理解と効果的な支援の方法

- No.5 -

1.学習障害は学習不振の指導ではダメ

勉強ができない子、テストの得点が低い子、一斉指導の方法が一般的には各学校で行われているが、この指導についていけない子どもたちは、学習不適応とか学習不振と言われて学校教育においては、いつの時代にも大きな課題だった。
学習不振の子どもの研究では、知能の問題から、知能の低い子どもの学習不振が考えられ、知能の高い子、低い子が存在し、これらを表示すれば、ガウス曲線になるわけで、能力の低いこの存在は避けられないこととして考えられていた。
加えて問題になったのが、生活習慣の問題である。先生の話をしっかり聞く子ども、家出の予習や復習をしっかりやるかどうか、しっかりやらせていくかなどが問題となった。
これらは、学習不振として研究され、個別指導を多くする、家庭の協力をえるなどの方法が考えられてきた。
これらの努力と配慮で学習不振に取り組んできたが問題も残っている。

2.学習障害は新しい研究課題

「学習障害とは、通常の方法では効果がみられないもの」という定義がある。
通常の方法とは、昔から色々と行われてきた方法と言えるが経験年数が10年、20年のベテランの先生は、この通常の方法を多く研究し、実践して来ているわけで、ベテランの先生方は多くの手がかりと方法をもっているはずだった。このことは、東京都教育委員会の教師の経験年数に関係なく、調査の結果からも既存の研究では解決しないことがわかった。
前経験欠落論から小学校の学習障害の治療指導をみると、前経験は幼児期の各種の遊び学習、遊び体験であることから、小学校の先生方には考えられない遊びとなるので、調べ実践して効果の見られたものを逐次紹介してみたい。文章の上達、文字の読みなどを具体的に示してみたい。

教育新聞掲載文責 NPO法人教育研究所所員・さいたま市教育相談センター所長 金子保

連載「通常学級における特別支援の必要な子どもの理解と効果的な支援の方法」