通常学級における特別支援の必要な子どもの理解と効果的な支援の方法

- No.4 -

1.解決していない教育問題を考える

今から、30年も前の学校教育の問題であったがいわゆる「落ちこぼれ」児童生徒が大きな社会問題となっていた。
同じ年数学校に通い、同じ教科書で、同じ時間を学んだのに、中学生、高校生になって学力が低い子どもが問題になった。
全国の教育センター、教育研究所が課題として研究をした。国立教育研究所がこれらをまとめての研究もした。
世の中からは、「落ちこぼれ児童・生徒」とは何事だという多くの意見が出て、お緒こぼしているのは、学校ではないかという指摘を受け、学習不適応の研究として、これらがまとめられた。
全国の教育研究所・教育センターの研究をまとめた国立研究所の結論は、きめ細かく指導することとなり、効果的な方法を確立できなかった。
次に起こった学校教育の問題は、学級崩壊だった。学級崩壊は幼児教育機関のいわゆる自由保育やしつけの問題研究などの研究で静かになった面も見られた。

2.指導内容を少なくして対処したが

少ない教材をしっかり身に着けさせようというこの計画で教科書を薄くして対処したが、これでは学力が落ちてしまう、教育内容を多くしましょうという意見が出されて、教育内容は多くなり、授業時間も多くして、児童生徒の学力を高めようとなった。
多く教えれば、子どもは多くを身につけるという考え、ゆとり教育はダメだという意見が多いが疑問である。
現在の大学生、高校生はゆとり教育を受けてきたので、学力が低くなっているという。
教育内容を多く使用、教科書を厚くしようとなって教育課題の解決に向かっているが、これに加えて、昔はなかった学習障害からの問題が起こっている。生活不適児の問題も発達障害と関連もあり、大変な課題研究が求められている。実践研究が求められている。

教育新聞掲載 文責 NPO法人教育研究所所員・さいたま市教育相談センター所長 金子保

連載「通常学級における特別支援の必要な子どもの理解と効果的な支援の方法」