通常学級における特別支援の必要な子どもの理解と効果的な支援の方法

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小学校1年生問題は、新しい指導・支援方法が必要

文科省の調査によれば、通常学級に在籍する特別な支援の必要な児童生徒に関する調査において、知的発達に遅れはないものの、学習面・行動面で著しい困難を示すものについての調査では、小学1年生から中学3年生を平均して6・3%と発表している。
年々出現率が高くなっているとする教員の意見は多く、埼玉県では小・中別に集計して、小学校11・7%(平成17年1月31日発表)としている。
中身については、「聞く、話す、読む、書く、計算する、推論する」に著しい困難を示すものとしている。そしてこれらの中には、学習障害、多動性障害、高機能自閉症を含むと説明している。
これらの子どもが学習不適応、生活不適応を起こしており、これが小学1年生問題と言われ、全国の問題になっている。

今までなかった指導法でないと解決できない

東京都の調査によると、問題のある学級は担任の経験年数に関係がなく、教師の経験年数が2年の学級も、20年、30年の学級も出現率は同じであり、従来の指導の方法ではj効果的なものが見出されていないと言える。 従来、学習指導も、自閉症については状態像の研究で指導の実践研究はなかったと思う。学習障害の研究は、能力の高低差はウイスク知能検査が用いられていた。
学習障害については、通常の指導では効果が認められないものという定義もあり、指導支援の困難性が窺われ実践研究してみた。
シドニー大学の教育相談室との連携した研究で、学習には積み重ね学習と充実学習があり、積み重ね学習は、この学習を支える前経験が欠落していると成立しないことがわかった。小学1年生の学習の前経験は幼児期の体験であり、この発見が最大の課題となった。

教育新聞掲載 文責 NPO法人教育研究所所員・さいたま市教育相談センター所長 金子保

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