北陸中日新聞石川版(令和5年12月10日発行)に掲載されました

ひきこもりVOICE STATION 全国キャラバン in 石川に、当サポステOGがパネラーとして参加した様子の取材を受けました。

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 ひきこもりへの誤解や偏見をなくし、誰もが生きやすい社会を考える催し「ひきこもりVOICE STATION全国キャラバンin石川」が9日、県地場産業振興センター(金沢市鞍月)であった。ひきこもり経験者や家族らのほか、馳浩知事が登壇し、身近な相談支援体制の充実に意欲を見せた。

 全国を巡回する厚生労働省の事業の一環。県内では、初開催でオンライン含め130人が参加した。「生きづらさで孤立しない、つながりをつむぐ地域のあり方とは」と題した討論会があり、ひきこもりを経験した小松市の松井梓(あずさ)さん(37)がマイクを握った。

 松井さんは高校卒業後に就職するも恋愛などがうまくいかず、実家でひきこもり状態に。母親の勧めで、若者らの自立を促す富山県黒部市の「宇奈月自立塾」で共同生活を送ったのを機に仕切り直して、現在は地元の商業施設で働く。「仲間が増えて良かった」と共同生活を振り返り「仕事を頑張りたい」と話した。

 馳知事は自立塾を評価した上で「石川県だったらどういう内容になるか調べたい」と言及。無理やり部屋から連れ出す悪質な「引き出し屋」を引き合いに「行政が支援に関わることで安心感にもつながる」とし、支援者や家族、教員らと連携する姿勢を強調した。

 このほか、金沢市で当事者らの居場所をつくった吉本真悟さんは「好きなものや趣味から人とのつながりが生まれることが多い」と説明。ひきこもりの息子がいる白山市の木村佳代子さんは「地域住民にはひきこもりでも良いと温かい目で見てもらえたら」と呼びかけた。モデレーターは加賀ひきこもり地域支援センターの岩尾貴さんが務めた。

 内閣府の調査によると、ひきこもり状態の人は増加傾向で全国に推計146万人いる。15~64歳の約50人に1人の計算。 (河野晴気)