宇奈月自立塾新規事業について
NPO法人教育研究所は、若者の自立支援を本格的に富山県宇奈月温泉で開始して7年が経過しました。年々、現場で感じることは就職活動が厳しくなっていることです。原因はデフレによる20年間の空白、リーマンショック、欧州危機による円高、東日本大震災が大きく影響し、今日の日本の経済状況は悪化を辿っています。
今日まで、自立塾では困難を抱えた若者の自立支援を懸命に行ってまいりましたが、若者の雇用状況は良くありません。宇奈月での自立訓練終了後、正社員として就職した場合は良いのですが、非正規雇用としての派遣労働に就いた場合、なかには最低賃金の時給労働や雇用保険に加入させて貰えないなど、労働者としての最低の保証さえ脅かされるという実情です。
まして、人間関係が苦手でコミュニケーションの能力が低い、資格がない、発達障害を抱えている等の若者の就労は大変厳しいものがあります。例え、若者の自立訓練をしても、就職先がなければ、自立ができず、また、家でひきこもるかブラブラした生活をせざるを得ません。
私達が行った「ニートの意識構造と就労」(2012.1)調査で、進路未決定者の30%は、そのようなさらなる困難を抱えている若者か、精神疾患を持つ若者です。この問題をどのように解決していったら良いか、何年間も頭を悩ませていました。
そこで、地元の企業、NPOの理事の方の協力のもと、新たな発想の新規事業を皆様方のご協力を受け、始めたいと考えました。それが出来れば、困難を抱える修了生や新たな困難を抱えた若者を正社員として採用することが可能になります。
幸いなことに宇奈月温泉は2年半後、北陸新幹線が開業します。東京から2時間ちょっとで宇奈月温泉に着くことができます。温泉街もそのチャンスを『どう生かして町づくりを行うか』行政、地元温泉街、市民で盛り上がりを見せ始めています。
新規事業ではIT産業等の専門的な領域から、店舗でのお土産物の販売やファストフードの製造から販売、町を彩る四季の花栽培、旧寮の庭での豊富な天然水の湧水を利用した、やまめの養殖、町とトロッコ電車及び駅舎の清掃美化などを、困難を抱える若者の能力や個性に応じた仕事をして生産、販売を手掛けていきたいと思っております。
さらに、現在、安藤理事と協力し、若い芸術家を育成しながら、その作品を展示し販売する、通年型のビレンナーレを行い、温泉街全体を美術館にしていく提案を行っております。その管理の中核になる事業体をめざし、若者とともに大いに発展、飛躍していきたいと思います。
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