ネットゲーム「現実」が楽しいなら大丈夫
- MSN-Mainichi INTERACTIVE No.8 -
翼(仮名、中学3年)はボラティアを続けながら個別指導の学習塾に通い始めた。
担任には未だ会っていないが、いずれは会って、中学には行けないが、高校には行きたいと告げたいと思っている。中学校で受けた、いじめにからくる同級生に対する不信感や不安・恐怖感はなくなったとは思えないが、自分自身を少しだけ、信じられることが出来るようになってきたので高校には行ける気がする。
ネットゲームはやっているが、最近は生活リズムを壊すまで、のめり込むようなことはなくなった。自分は母親にも支えられ、オフ会であったネットゲーム仲間もいる。ボランティアで知り合った介護福祉センターのスタッフの人達やお爺ちゃんやお婆ちゃんに、少しは頼りにされている。自分が大切にしたいと思っている人達との関係を続け、さらに、学校以外の世界を拡げていけば、学校生活も続けられるような気がする。
大量の情報を瞬時に安価に送れるブロードバンドの普及と高性能パソコンのおかげで、自分の欲しい情報が直ぐ手に入り、仕事の処理能力も飛躍的に向上した。その産物の一つとしてのネットゲームは子どもから大人までのゲーマー達を魅了した。TVゲームの面白さとチャットが出来る双方向性は現実社会とは違う仮想社会を作り出している。現実社会の人間関係も楽しい。学校(勉強)や会社(仕事)も楽しい。そして、趣味としてネットゲームを楽しくやっている生活ならば何にも問題にならない。しかし、問題なのはその魅力にひかれ、仮想社会にのみ、こころの居場所を作ってしまいネットゲーム漬け生活の結果、ネット依存になり表面的にひきこもる子ども達だ。
文責 牟田武生