不登校、ひきこもりの子ども、家族への援助

天理市第46回心を育てる教職員の集い講演

講師:牟田 武生

二万六千人の追跡調査

それからもう一つ、私も非常に興味を持ってやった調査なのですけれど、平成五年三月中学校を卒業した子どもたちが二十歳になった時、ですから平成十年、二十歳になった時点で、中学校を卒業してからどんな暮らしをして、今どうなっているかと言う追跡調査をやってみたのです。これは全部で二万六千人。奈良に住んでいる森田洋司さんという大阪市大の先生が中心になってやって、僕もそのお手伝いをやったのですけれど、「先生、全部調査しましょうよ」と言って、大変だったですけれど、二万六千人全員調査しました。三年がかりの追跡調査です。これには学校の先生に随分ご苦労、ご迷惑をおかけしました。

私が参加できたのはなぜかというと、アンケートを作る時、今までの文部科学省のアンケートだったら、役人の発想で、あるいは心理学者の発想で作っていて、これは引きこもっている子供の実情に合わない。引きこもっている子供の気持ちに沿った形でアンケートを作っていかなければだめだということからでした。

そしたら、五年後の二十歳に不就労、不就学の人。不就労というのは仕事をしていない人ですね。不就学、学校に行っていない人、学校といってもたとえば予備校に行っているのも一つの学校にしましょう。塾に行っているのも学校にしましょう。もちろん専門学校なんか全然問題ありません。あるいは家庭教師で少し勉強して大検を目指していると、これもいいでしょうという形で、なるべく削っていったんです。もちろん二十歳で子供を育てていて、今は子育ていっぱいでパートもしてなければ、学校にも行ってませんという人も削っていきました。でも、削っていった結果が22.8%の人が、不就労、不就学だったのです。だから四分の一弱の人が二十歳になった時点でも引きこもっている状態であるということなんです。

やはり、かなり深刻な問題なんだな、日本は少子化社会でどんどん子供の数が少なくなって、若年労働者の数も少なくなっていくのに、不登校の数だけが増えていって、そしてその人たちの四分の一近くがひきこもりの状態が二十歳になっても継続していくとしたら、これはやはり大変なことなんじゃないか、なんらかの手だてを考えていかなければいけないのじゃないか、というふうに考えるようになってきました。

>>次へ