研究会通信 第27号
今年は度重なる台風、そして中越地震と大変な1年となりました。多くの被災された方々には心からお悔やみ申し上げます。また一刻も早い復興を心よりお祈り致しております。
平成17年度夏期セミナー開催のご案内
大阪会場(よみうり文化ホール)
平成17年7月27(水)・28(木)・29(金)
東京会場(国立オリンピック記念青少年総合センター)
平成17年8月22日(月)から8月26日(金)
平成16年度夏期セミナー第14回
教師&専門家のための不登校問題研究会
講義概要&アンケートより
大阪・東京2会場にわたって行われた研修会、講座の概要と皆様のアンケートの一部をご紹介させていただきます。
1 「今、子ども達のおかれている状況をどう捉えるか」−未来ある日本のために社会学者森田洋司は考える−
大阪樟蔭女子大学人間科学部教授 森田 洋司
大阪府岸和田で起きた児童虐待のケースは学校現場では不登校の問題であった。しかし裏には虐待の問題が隠れていた。当事者の担任教師は不登校の見地においては非常に粘り強くがんばった。何度も家庭に出向いていった。しかし、教師は本人とかかわることはできなかった。そのかかわりの中で教師は疲れ自信をなくしていく。
この問題の教訓は不登校という現象面のうらに色々な問題が潜んでいることが伺える。様々な問題がそれぞれに重なりあう状況、(マルチプログラム)そういう時代に入ってきているという。
このように、“いじめ”“不登校”“非行”“虐待”など様々な問題が重なり合う時、果たして学校だけの対応が可能なのであろうか。情報化が進む今の時代、地域、家庭、学校が連携する「複眼的視点」が必要ではないだろうか。その連携の質は情報連携から行動連携が必要な時代になっている。
平成12年ごろから起こり始めた問題行動(黒磯事件など)は前歴、補導暦のない子どもが起こす「いきなり型」になってきた。しかし、どこかに前兆、予兆はあるはずである。それをどうアンテナに引っ掛けるか。情報連携ばかりでなく、行動連携にどうつなげていくか。それが大きな課題である…。
講義の中では行動連携の基本的な考え方を具体的な例を挙げて紹介していきます。明快な“森田節”が冴え渡ります。
(アンケートより)- 少子化問題と国が行っている少子化対策について社会学者という先生のお立場から次回お話していただきたいと思った。
- 不登校という今ある状態から未来に向けての支援、取組が大切というお話は私にとって新鮮でハッとさせられるものでした。どうして学校に行けないのかとそればかり考えて子どもに接していたように思います。自己否定感を少しずつ変えることにはこちらのエネルギーが充実していなければできないと思うのですが子どもの未来のために頑張ってみようと思います。
- 不登校生に何らかの配慮をして卒業させたとして、はたして社会でいきていけるのか?という疑問は常に抱いています。だからといってずっと学校にとどまらせるのもおかしいと思います。どうしたらいいのか、わからないことだらけです。私立学校は公立並の充実した援助チームを作っていこうにも「人が集まらない」「金がない」ということばかりでなかなかうまくできません。
- 不登校の抱える問題の複雑さ、広域化など、普段あまり考えていなかったことについて考える良い機会となった。専門家グループなど、より多くの人を巻き込んだ対応の有効性について学ぶ機会ともなったが、現実にグループを立ち上げることは難しそうな気がする、まずは、地域の人材について調べてみたいと感じた。
- 今、なぜ学校と関係機関等との行動連携が必要なのかということが納得できた。社会学的な見地から、自己肯定感の不足している子ども達にとって学校でできることは何か、学校で目標とすべきことはなにかということがすっきりと頭に入った。日本ならではのいじめの特色の説明があったところが興味深かった。色々な面で今、アメリカとか西欧の方法が取り入れられているが、これまで日本にあった機能での対応を生かすということを見直すことはできないだろうか。
- 自己肯定間が低い日本人の話はわかりやすく、私自身も 自分を認めて好きになれば、きっと子どもも自分を好きになると信じてこれから実践していきます。ありがとうございました。
- 不登校という状態の原因追求するのではなく、これからどうしなければならないのか、また、社会がどういった形で取り組まなければならないのかが、よくわかりました。また現在の学校の様子を良くご存知なので納得することができました。
- いつもテンポのよい論調ですばらしい話をいただきました。特に「イジメ」問題を堺に転換した問題行動への視点のあて方にはなるほど納得で感服いたしました。自我防衛の状態からいかに自己肯定感を作り出していくか、我々がその支援に全力を注がなければならないと改めて考えさせていただきました。
- 先生のお話は現場で悪戦苦闘している我々に自信と勇気を与えてくれます。専門的な視点から研究内容を自信を持って生き生きと報告される姿は大きな活力となります。
- 虐待を受けている子に親と引き離すだけではなく親権を回復するための支援の必要性をまた、不登校の子も対人関係を再構築する支援を、そして校区内ネットワークの重要性など、一歩進んだ提言はわかりやすく今後の参考になりました。
- 児童生徒の環境の変化から生じてくる問題行動の変遷が様々な事例を挙げていただき、大変よく分かりました。担任、学校だけの対応には限界があり、子どものためには、学校、地域、諸機関でサポートチームを作り子どもの変化を見ながらチームを考えていく必要性がよくわかりました。ありがとうございました。今後の実践に生かして生きます。
- 不登校の子どもに対して、そのままにしておくのではなく緩やかに社会や家庭の関心に向けていけるように話を外へ外へと傾けていくことを心に留めて子ども達とかかわっていけたらと思いました。
- 新採の私にはちょっと難しいところもあったのですが、色々な事例を通して説明してもらえて頭に入りやすかったです。
- 「近年の日本における問題行動への対応の視点の推移」のお話はとても納得いたしました。浅学の身ですので視点の推移は「なるほど」と思いました。不登校は「心の問題」と「進路の問題」というのも普段なんとなく感じていましたので「やっぱり!」と思えて嬉しかったです。
- 今の時代におかれている子ども達のために、周りの環境がサポートし学校と関係機関等の連携していかなければ子ども達は守られない状況までにいたっているという事をすごく考えさせられました。
- 「自己肯定感」「家庭への介入後のサポートこそが真の支援」全くその通りだと思います。「サポートチーム」云々については、専門機関も私たち教師もメンバー、一人一人の力量に追うところが大きい。(それは学習指導でも同じですが)子どもを支える親や周囲の大人の自己肯定感を球ける 視点や支援者の力量を高める視点の大切さを感じました。
- 自己肯定感を持たせるためにも「ほめる」事が大切だというのが印象に残りました。学校でなければ、教員でなければできないことがあるのだという私自身への肯定感を持つことができました。セルイフエスティームを育てることは大切なことはよく分かっていたが、社会的にも日本の問題となっていることがよく分かった。日本自体が大きく変わらなければいけない。教育界だけではなく、企業など政府もそういう施策をしないと変わらんと思う。マスコミも
2 「不登校とストレス」
南山大学教授 精神科医 梅垣 弘
現代のストレスはコントロールの難しい心理社会的ストレッサーによるものが多く、現代における子ども達のストレスも心理社会的な事象と強く関係している点が多い。
子ども達の周りで起こる様々な出来事や体験が自分にとって嫌だと感じ、それに自分自身が対処できないと考えた時、それはストレッサーとなる。それに対して個人の特性の上に周囲からの支援(ソーシャルサポート)を受け、気分転換や、発散等の本人による対処行動が適切であればストレス反応は起こらない。しかし、不適切な場合、それはストレス反応として表出してしまう。
このようなストレス理論から不登校を考えるとき児童生徒が学校場面を嫌だと感じ(ストレッサー)その不快感を避けるために生じるもの(ストレス反応)が不登校ということになる…。
ストレス理論から不登校問題を捉えていきます。臨床事例を交えながら梅垣先生独特の優しい口調で「不登校とストレス問題」を丁寧に解説していきます。
(アンケートより)- 不登校の原因として、ストレスが考えられるということは、誰しもが考えることであると思う。ストレスが3段階に分けられて考えていくということは新たな考え方として有益にとらえたい。
- 私の中では基礎的なことの確認になった。学校現場のことをもっと知って欲しい。患者の立場だけでなく、学校の中に入っての所見が知りたい。
- たくさんの事例をあげての講演でした。ストレスはたくさん存在しているがそのストレスをどう対処し、自分を高め好転させていくかという耐性力のような心の強さを長いスパンで子育てしていく社会になっているとつくづく思いました。
- 集団と個を考えると全体的にはストレスと感じていない場合でも一人だけストレスと感じることがあることを教師は知っていないといけない。
- 「ソーシャルサポート」という言葉を覚えました。「ストレスマネジメント教育」についても聞きたいと思いました。
- ストレスとは、本人によって受け取り方が異なり、A児にはなんでもないことがB児にはとても重く感じられるということ、30人以上いる学級の児をまとめていくのに、誰でも、同じようにはできないということです。一斉指導の中で行うしかない今の学校ではどこでも、誰でも、ストレスをためる可能性があるということでしょう。せめて1クラスの人数が少なかったら…とも思いました。
- ストレスという一言でまとめてしまうが、ストレッサー、ストレス反応があることが分かった。ストレスをどう回避していくか、何が本人のストレスになっているかを見極めることはとても難しいと思いました。ストレスに耐えうる子を育てるにはどうしたらよいかまた勉強したいです。
- 学校がストレスフルな場になっているということは強く感じます。その原因が本人、友人にあることは教師も認識していると思いますが、教師自身が子どものストレッサーになっているということも、もっと自覚して欲しいと思いました。先生はとても遠慮がちにお話されていましたが、教師がもっとカウンセリングマインドを持つことをもう少し強調していただけるとよかったです。
- 丁寧な講義でした。いくつかの事例を挙げられて、理解の助けになりました。
- ストレスの感じ方、受け取り方が図で示されていてとても良く分かった。質疑応答での回答もわかりやすく、自分の生徒に当てはめて聞くことができて勉強になった。もっとたくさんお話を聞きたかった。
- 内日の生活の中でたくさんのストレッサーを感じながらそれにどう反応するか、個々のストレス反応の違いを十分に認識することが大切であることが理解できた。その理解がここを大切にすることへつながっていくのである。
- 担任した児童、我が子が不登校と教師として、また親として、不登校の子どもと過ごしました。頭の中では分かっていても直面するとなかなか良い判断ができず、今思うと反省ばかりですが、お話の中で「共感する」ということがありましたが、不登校の初期のお休みが「あまえ」「怠け」どちらか判断するのは難しいと思いました。
- ストレスと不登校についてよく分かりました。随時、適度の登校刺激について色々な具体例がきけると良かったということも思いました。刺激になってはいけないという考え方はよく理解できました。ラポール作り頑張りたいです。
- 先生のレジュメがとても分かりやすくいつでも振り返ることができるのでよかったです。大変分かりやすい講演で、梅垣先生のお人柄と40年の実践が、とても伝わってきました。不登校とストレスの関係は漠然とわかっているつもりでしたが、端的にストレスの段階などを整理していただき、一歩も二歩も踏み込んで理解することができました。事例もたくさん出していただき、今後、不登校の子どもと向き合うとき、先生から教えていただいたことを十分に生かさせていただきたいと思っております。ありがとうございました。
3 「教師のための学校危機対応実践プラン」
兵庫教育大学教授兵庫県立心の教育総合センター所長(兼任) 上地 安昭
「学校は安全でなければならない。」
本来安全な心の拠りどころでなくてはならない学校において危険な事故や事件の発生が年々増加している傾向にある。子ども達にとって学校を心の拠りどころにするために、学校の安全を実現するためにどう対処するべきだろうか。
“危機的場面”とは何年も同じ状況が続くものではない。しかし、教師個人が通常の手段では対処する方法を持たないのが危機的場面である。また、見方を変えると“危機”は一つの境界でもある。これを乗り越えることによって事態は良い方向に転換することも少なくない。
これからの社会では大人サイドの危機管理だけではなく子ども主体の危機教育を徹底的に行っていかなければならない…。
心の拠りどころとなるべき安全な学校づくりに向けて、データを提示しながら、危機対応の実践プランを具体的に詳しく解説していきます。
(アンケートより)- 学校危機、いつ何があるか分からない世の中になってきました。学校全体で取り組んでいかなければいけない問題です。生徒及び教職員のために。
- 学校が安全な場所であるためには、もっと教師側も危機について意識するべきだと思った。外部からの侵入者はもちろんだが、佐世保のような事件については予想外だったので、考えていきたい。
- 過去にあった自校の学校危機の事例を思い浮かべながら傾聴した。そのときにこのようなプランがあったなら、学校もそれほど混乱しなかっただろうと今になって思えます。
- 危機を分岐点と捉えたとき、事後の対処の大切さがよくわかった。また、危機の内容を不審者侵入だけに限定して考えがちだったが、様々な危機があり、それらについて意識しておくことの大切さもわかった。
- 春の職員研修会で危機管理をテーマに、ロールプレイなどを通して学びました。しかし、内輪の話し合いではどうも心もとなく、やはり専門家の方からお話していただく必要があるなと思いました。
- 学校は大きな地震の発生が予想されている地域にあり、いざという時どうするという話が出ています。しかし、本当にそれが起きたらどうしようと思うばかりで、具体的には訓練とおざなりの準備以外できないのが現実です。自分の、そして生徒たちの命を守ることができるのか不安です。
- 危機対応チェックリストは大変参考になりました。プランを立てることをまずやっていきたいと思います。その中で、見えてくるものが多くあるとの話、うなずきながら聞きました。現場の先生方の声(実際におきたこと)にうなりました。
- 非常に明確な説明、忘れてはならない注意事項、再認識をした。
- 今回のプログラムの中では違った観点だったので、興味があり、この研修に参加しました。
- パワーポイントを使ってのお話、具体的で資格に訴えるもので、理論的でわかりやすかったです。市教委主催の研修などに来ていただいて、市内全部の学校の管理職や担当者を集めて是非指導していただきたいです。本当に明日からすぐに役立つお話をありがとうございました。米国での例なども大変参考になりました。
- 「さすまた」の実物を持って、不審者侵入の研修をやりましたがなんだか心もとない状況で、授業中に入ってきた人を誰が不審者と判断し、さすまたを持って阻止するのか考えてしまいました。子どもの危機については、低学年では素のままの態度から、家の様子など、分かりますが、高学年では夜間など、地域、家庭からの情報がないと、把握できない現状です。
- 是非、管理職に聞いて欲しい内容であった。具体的にそれぞれの学校で実践していかないといけないと思う。我が高でも考え方を参考にしていただいて、より実践的なものにしていければと思う。
- 職場で取り組むヒントを与えられました。常に問題発生はチャンスと思っています。子どもの多様化に追いつけませんが、「分かろう」と思っています。
- 池田小の事件はとても衝撃的でした。学校は開かれたところ、そして安全なところ、学校に居る限り危害は加えられることはない、と根拠も無く信じていたからです。でも、それが崩れた今、生徒、教職員の安全を確保するためにも、危機意識を常に持っている必要性を感じます。示唆に富んだ内容でした。
4 「子どもを救う教育相談」−ピアプレシャーをピアサポートに−
奈良教育大学助教授 池島 徳大
学校の教員の守備範囲は広い。一次的教育援助サービス(すべての子どもが対象)から二次的教育援助サービス(一部の登校しぶりの子ども、非行化傾向の見え始めた子ども、学習意欲が低下し、援助が必要な子ども等)、三次的教育援助サービス(不登校、ADHD、アスペルガー等)を必要とする子ども達まで広い範囲でフォローしなくてはならない。さらに三次的サービスを必要とする子どものケアーは個別対応が必要となり教員の負担は大きい。
三次的教育サービスを必要とする子ども達は成長エネルギーが枯渇している。そこにストレスがのしかかる。さらに重たい心の扉を持つ。この心の扉は年齢を重ね、子ども自身の中に自尊感情が増加すればするほど厚く重たいものになっていく。またさらに仲間の圧力(ピアプレッシャー)がかかり更なる重さとなる。この心の扉をいかに開けるかが教育相談の重要なポイントである…。
ピア…いわゆる仲間の力、友人の力を学校教育に生かしていくという、ピアサポート活動に触れながら、子ども達が感じているピアプレッシャーとはいったいどういうことなのか。講演の中では会場とのコミュニケーションを適宜取りながらユーモアを交えて分かりやすく解説していきます。
(アンケートより)- 最初にエンターカウンターがあり、気持ちがほぐれました。内容も大変理解しやすく、抱えている問題の参考にもなりました。
- 仲間とのかかわり次第で、プレッシャーにもなり、サポートにもなる。集団は手段であるということが認識できました。面白かったです。
- 何度も聞いてきた相談のときの心構えですが、今回聞いて、再度、自分の姿勢を問い直すことができました。
- すごく分かりやすくて役に立つお話でした。これからすぐ実践できそうです。私も小学校の頃、いじめられていたので、イジメの話は感慨深かったです。
- 心の扉を開くことの難しさを日々感じています。「こうすれば開くよ」という決まった方法はきっとないのでしょう。その子、その子を見つめて、理解しようとするこちらの気持ちが大切なのでと思いました。
- 自分の指導方法が誤っていたところを再発見したことと、正しく指導することができていた点がよくわかる講義内容でした。明日からの実践に役立てたい。
- また、お話を伺いたいと思った。ピアプレッシャーがいかに重大なことか、また教員に大切な4つの資質、これからの職務に心して頑張っていきたい。
- 個人、家庭、社会の接点をいかにつくっていくのか、暗黙のピアプレッシャー、私にとって新しい視点でした。
- ピアサポートについては私の学校では昨年から「心の研修と体験学習」という名目で実施しており、ある特定の期間だけ行うのではなく、日常の学校生活の中に取り入れようと思いました。(本校では学校を縦割りにして3年をリーダーにしています)
- 子どもの心を理解することからはじめればその後の様子も変わってくるんだろうなと、改めて思いました。私は不登校の子や特殊学級の生徒とかかわる相談員をしていますが、教師を目指している立場でもあります。色々な意味で今日のお話を生かしていきたいと思います。
- 最初のレクレーションで場が大変和みました。そしてテンポの良い口調でとても聞きやすく、分かりやすかったです。実際にあった事例を基にお話されていたので、共感する部分があったり、納得のできる講演でした。
- 「いじめ」「ADHD」の対応について具体的内容で講話していただきました。快調な話のテンポで非常に聞きやすく、最初にグループエンカウンター的手法を取り入れられたゲームも大変和やかにスタートできました。あっという間に時間が終了した感じですが、是非いつかもう一度拝聴したいものです。
- 教室で実際子どもとかかわっているものとして、先生のお話は非常に納得できるものがあり、実際的であった。
- ある女子大生の新聞への投書内容は、身につまされるものだった。盲点をつかれた気がした。
- この先生の話は説得力があった。はつらつとしていて、すべての言葉が「なるほど」 と受け止めることができた。
5 「母子関係改善のカウンセリング」−教師はそれをどう支えれば良いか−
皇學館大學名誉教授・心理社会療法研究所長 黒川 昭登
不登校ケースを取り上げてみると、不登校とはいえ、3時限目から、とか、保健室には来られる、特定の教科のみ教室に入れない、という軽度なものもあるし、中には、家から一歩も外には出られない、とか、登校しようとすると強烈な吐き気、頭痛、腹痛に悩まされるという場合や、昼夜逆転で、朝になると眠ってしまい、起きようとしても手足がバラバラになったようで起き上がれない、とか、中には、脅迫障害が伴い、1時間も手を洗う、とか、軽い妄想があり、クラスの子が共謀して自分を排斥しようとしているといったりする子がいる。
これら重症のケースは、はっきり「不潔恐怖症」とか「被害妄想」という病名をつけて、不登校と区分して考えようとするが、われわれは、これらの症状も不登校と同種の起源によって起こっている、と考えている。というのは、不登校の子の治療と同じ手(母子関係の改善)を施せば、改善するからである…。
母親は不登校の子どもにどうかかわるべきか、また子どもと向き合う親を教師はどのように支えるべきか、長い臨床経験から母子関係の改善が不登校解決への手がかりであるとする黒川先生のじっくり聞かせる講演です。
(アンケートより)- 人間の内面にしみついている言えの価値観やしつけがその人自身の行動によくも悪くも影響を受けることは現場で感じていました。自分の原点に戻るようなカウンセリングがその後の対応のあり方を考えていく上で大切だと思いました。自分らしく生きるとは何だろう?と考えさせられました。
- 自分では考え付かない理論でした。体からのメッセージ、それは熱意という一言になるのでしょうか。自分の取り組む姿勢を見直す機会になりました。
- 先生の実践を取り入れたお話で、特に面接場面のお話にはなるほどと思いました。母子関係と不登校は強い結びつきがあると、不登校でなくても不安定なこの背景にはほとんど、お母さんとの間に十分甘えたという状況がないように思います。身体症状を訴えて保健室に来る子は話をきくこととできるだけスキンシップを心がけています。
- たぶん先生のおっしゃっていることは(あたりまえの親子関係)が今、あたりまえになっていない現実がたくさんあり、その親子にどう支えればよいか考えさせられました。
- 母子関係の重要性がよくわかった。ただし、中学生以上の思春期に入った男子が母親との関係を作りなおす場合にも、先生のおっしゃる、母とこの接触を増やすなどの方法がうまく実践することができるのか疑問も残った。
- 「しつけ」はしないという方針であるとお話されていた先生の講演が大変印象に残りました。また心に残りました。母親との安定した「関係」を通して、外界に対して安心感を抱くようになるということも含めて、子どもは母親の愛情を無条件に与えてあげることが大切ということも再認識いたしました。
- 母子関係の大切さはよく分かりました。母子関係改善のためには母親だけがガンバルのではなく、周囲のサポートのあり方についてもっと考えるべきではないでしょうか。「赤ちゃんのサインを重視する」「不登校の子どもの退行現象を受け入れてやる」大変興味深く聞かせていただきました。
- タイプ別の対応ではなく、母子関係という視点で不登校を理解しようとするのはすっきりしていた。(治る) ための方法として講義の資料はよくまとめられていた。「感じることが大切」として子どものころを思い出すワークはとてもよかった。いかに感じることに個人差があるかが体験できた。対人コミュニケーションと体内コミュニケーションについてははっきり説明されていてよかった。
- 実践が伴った講演だけにそれはとっても分かりやすく、しかも熱弁だったので心にじんと響いた。私も親ですが、子育てに手抜きがあったことを反省させられました。
- 講義ノートが大変分かりやすくまとめられてあったので先生の姿勢がよくわかりました。診断や分類ではなく、とにかく「治す」ことを目的にしている先生の理論と実践は不登校の子どもを持っている親にとって、何よりも心強く感じられると思いました。最後のインナーチャイルドを癒すミニワークがすばらしかったです。
- 目からうろこです!かねがね不登校の新の原因は何か、どこか、を問いそれが明確にならない限り不登校問題は解消しないと考えてきました。本日の黒川先生の話を聞いて目の前が何かパッ!と開けた気がします。胎児期の愛情の再説さが将来に大いに影響する。ありがとうございました。
- 経験に基づいて話をしていただいて、わかりやすかったです。先生のように頭で考えて話すのではなく、腹からはなして子どもと接していきたいと思います。ありがとうございました。今までモヤモヤしていたものが先生の講義を受けてスッキリとしました。具体的な取組も必要ですが、実に先を見据えたすばらしい話が聞けました。現在中学に勤務をしておりますが、これから体内コミュニケーションがより取れるように努力したいと思います。
6 「ネット依存/新しいひきこもりへの対応」
−不登校の子ども達の不安の質の変化にどう対応するか−
特定非営利活動法人 教育研究所 理事長・不登校問題研究会 幹事 牟田 武生
佐世保で起きた事件、佐賀のバスジャック事件はネット世界との接点が一つの鍵を握っていた。ネット社会は大人よりむしろ子どもの世界の方がより進み、広がりも持っている。この不可視空間の世界、その仮想社会の中で子ども達は癒され、時には傷つき、大人の知らぬ間にトラブルに巻き込まれている。
不登校の現場でも仮想現実の世界にひきこもる子ども達は多い。受容中心の対応が叫ばれた1995年から1998年頃(不登校10万に突破の時代)、不登校は急激に増加する。情緒的には安定でも不安定でもないが、人間関係には消極的であるという、ごく普通の子ども達が不登校になっていった。学校では人間関係をめぐる些細なトラブルが原因で不登校になるが、心には大きな不安は無い。学校に行かないことで退屈感やさびしさ、つまらなさは募っていく。しかし現実の人間関係には活路を見出すことはできない。そんな子ども達がチャット、メール、オンラインゲームへとのめりこんでいった。そしてネットの世界という仮想現実の中に居場所を見出し依存していくことになる…。
ネットゲームという仮想現実の世界に心の居場所を見出し、見捨てられ不安からその世界に依存していくという新しいタイプのひきこもりが現れてきた。牟田先生が最先端の臨床現場で今直面している生の問題に焦点を当てていきます。
(アンケートより)- 私はインターネットもパソコンも全然できないので、時代についていけないことを改めて感じました。子ども達の心に近づくためにも勉強しなければいけないと思いました。
- 新しいタイプの不登校について分かりやすく教えていただいてよかったです。本校もそれに近い事例があるので、早速、対応していきたいと思いました。
- 一名ネット依存の生徒がおり、取り組む道筋が見えてきたように思います。
- 環境の変化と共に生徒も変化し、我々は常に対症療法しかできないことが非常につらい、根本的な解決方法があればいいのだが、特効薬はないが、取り組む基本姿勢が判ったことが良かった。
- この時代ならではのネット依存の話が聞けて、そして2つのタイプに大別するという視点を聞かせていただき、とても参考になった。
- 私が相談員としてかかわっている生徒にもインターネットに夢中になっている子が多いです。子どもとインターネットのどんなサイトを見ているのか聞いても、私が分からない部分もあり、その話題は長く続きませんでした。今日のお話を聞いて、私自身が生徒の心を理解するために、一緒のサイトを見て行動すると生徒との距離が近づくのではないかと感じました。ありがとうございました。
- 時代の変革とともに大人である私たちも、追いついていくのにやっとのような気がします。しかし、子ども達にはそれを自然にそして吸収していくので、これからは、与えるだけでなく、その後のこともよく考えた指導が必要だと思います。ありがとうございました。
- IT社会、ネット社会について、ほとんど無知でした。特にインターネットゲームを中心とした講話は大変参考になりました。とくに、学校教育の中でのIT教育の不十分な部分の指摘、モラルや危険についての教育がまずなされなければならないという意見に大賛成です。それにしても牟田先生の日ごろの長年にわたる努力に敬服しながら感謝しています。
- ネット依存の中身がよく分かった。まだ、本校にはそういう生徒はいないが、ゲームで寝不足だという生徒はいる。そのゲームの内容を良く聞いてみようと思った。
- ひきこもりが、多様化、広汎化してきていることがよく分かったような気がします。インターネットという身近な媒体の持つ魅力や、親近感などプラスの面だけでなく、匿名性や依存など、マイナス面も含めて、しっかりとした情報教育の大切さについても考えさせられました。
- 理解できない子ども…十思った子どもの心の底にも「 見捨てられ不安」 という誰の心にもあるものがあるのだな…。と安心(?)した。そこに、たどりつくための子どもへの寄り添いの姿勢のあり方みたいなものを教えていただいたように思った。
- ネットの世界が、そんなに発展していることに驚いた。とにかく、共通の話ができる様、その子の興味あることを、一緒にする、というのがポイントだなと思いました。
- もっと話が聞きたかった。今、高校の保健室で働いていますが、YG検査の「C」らしき子が多いように思います。一日300回というメール依存の子もいて、彼女たちの世界が見えないためにかかわりが難しいです。
- チャットの話は良く知っていましたが、ゲームの話は始めてでした。先生の言われるとおり、ネットのモラルや危険についての教育は全くなされていません。次回はその辺の話を聞きたい。
- ネット依存についてはほとんど知りませんでした。子ども達が私の手の届かないところへ、どんどん行ってしまうような恐ろしさを感じました。「時には共有し…」とお話されたように子どもの気持ちをしっかりと受け止めていけるようになりたいと思いました。
7 「ADHDの理解と支援」−園・学校における対応−
国立特殊教育総合研究所教育支援研究部統括主任研究官 花輪 敏男
軽度発達障害というのは知的な障害がない、あったとしても軽い発達障害をいう。知的障害が無いために、その子ども達は通常学級に通っているわけである。文部科学省と国立特殊教育総合研究所の合同調査では、このような軽度発達障害の疑いのある子どもが、通常学級に現在6.3%いるという結果が出てきた。現在、特殊教育の対象者は1.5%である。この数字が示しているのは根本的に仕組みを作り直す必要に迫られているということを表している。
これまで、この軽度発達障害に対しては何の対応もされてこなかった。決して最近起きてきた問題ではないが、これまでは問題化されてこかなかったのである。しかし、LD・ADHD・高機能自閉症・アスペルガーといった問題は脳の働きによってこのような行動を取らざるをえないということを知っておかなくてはならない。
また学校現場においては多くのケースがLDとADHDが混在している。さらにはODD(反抗挑戦性障害)CD(行為障害)との混在するケースさえ現れてきた。これからは医療・福祉との連携ばかりでなく司法との連携も必要となってくる時代である…。
この問題の研究に早くから着手してきた花輪先生がADHD・LDを含めた軽度発達障害とは何か、教員として、保育士として現場でどのようにかかわればよいか、関係機関、保護者との連携について具体的に分かりやすく解説していきます
(アンケートより)- 先生のお話をお聞きし、今まで自分が実践してきた方法が間違いではなかったのだという実感を持つことができ、さらに今日いただいた示唆をもとに今後も頑張っていこうと心に誓いました。
- ADHDの特徴や指導法を具体的な説明で分かりやすかった。一般の小・中学校の先生方に理解してもらえたらなと思った。(養護学校の教員なので)
- よくわかります。しかし、30人を受け持ち、学級数は2つ。研究(体育)もすうs目ながら、あらゆることを(キャンプなど)こなしている毎日です。一人のADHD(かなり手がかかります。正直なところ)児にこれ以上は無理かもしれません。ダウン寸前です。
- 高校にもLD・ADHD・アスペの生徒が入ってきています。それなりの知能もあり、多動もおさまっているから入ってこられるわけで最初はかくされているケースがあります。注意してみる必要を感じる今日この頃です。
- 病名はついていないけれど、それを思われる子どもに対してのアプローチの仕方がわかりました。実際、ADHDでなくても、手法としてやってみることはいいかもしれません。
- お話はあちこちにちりばめられた具体例がとても身近なものでわかりやすかったです。こどもにとって受け入れやすい、わかりやすい方法を探すこと、それを徹底して(例外なしに)生活の中で用いていくことを心がけていきたいと思います。
- パソコンを使っての(レジュメとも一致しており)お話、大変分かりやすく納得のいくものばかりでした。“教育”こそ最大の治療なりといわれたお言葉、肝に銘じてゆきます。対処法刺激の調整・指示の工夫など日々の授業での改善点がわかりました。多層的な支援体制をとることはもちろんですが、日々の授業においてきっちり「特別な配慮」をしていきます。プロの教師として保護者とも連携していきます。
- ADHDや自閉の例を通して、担任はどんなことを普段から心がけていけばよいのかが整理できた。どの子も平等に教育を受ける権利があるのにちょっと扱いに苦慮するとしり込みしてしまう教師の側も変革していかなければいけないと思った。教師のアマチュア化、痛い言葉です。
- ADHDの対応の仕方を具体的に教えていただいたので、とても参考になりました。昨年度担任した子に適切な対応をできなかったことが、悔やまれます。学校に戻って、さっそく担当者に伝えたいと思います。
- ほとんど知識を持たずお話を聞かせていただいたのですが、とても分かりやすく、ユーモラスで、興味深かったです。山形で先生をやっていらっしゃったという話ですが、先生のお話はきっと生徒の心に根を下ろしてきたのだと、そんな印象と感動をもって聞かせていただきました。大変勉強になりました。
- 自閉の勉強をしたので、かなりかさなりあう部分があるのが分かった。しかし、違いもわかり、現場として、何を大切に考えていかなければいけないのかと改めて気づかされ、確認することができた。
- ADHDについて順序だてて説明をしていただいたので、大変分かりやすかったです。今まで、手ぐさり状態のところもありましたが、具体的な例を基に話されたので、実践していきたいと思います。
- ADHDに絞っての理解と支援の具体的な講話でよく理解することができました。実際の学校現場で対応する担任にぜひ聞かせたい内容です。このような話は一度だけでなく、複数回の機会を必要とすると思います。特別支援教育として、今から2から3年後、大きく変換(展開)していることを祈念しています。
- 普通学級の置かれている現状がわかり、とても良かったと思います。養護学校にいると、なかなか実態がわからないものですが、センター的機能などこれからいろいろ求められてくる上でとても参考になる話でした。
- すごく面白かった。毎年、中退者が50人以上いるので、高校でもADHDの視点を定着させると、少しでも教員のかかわりが変わって、中退せずに卒業できる子が増えるかもしれないと思った。課題にしたい。
10 「人と人をつなぐカウンセリング」
−対人関係ゲームと認知行動カウンセリングへの誘い−
筑波大学教授 田上 不二夫
学業や人間関係の失敗体験(マイナス感情)が学校生活への不安を引き起こし、回避行動につながっていく子ども達、彼らに対しての対応は、失敗体験なしにうまくいく状況で再学習をさせていくことである。
罰は適切な行動を学習させる力は持たない。罰による効果は回避することを覚えるだけである。人が変わっていくには評価される必要がある。認められる、うまくいくことで人間の行動は変わっていく。年に数回程度でも認められた体験があれば報われていくのである。
しかし現代の挫折する青少年には価値のトライアングルにおいては社会的パワー(ただひたすら人に勝るため、競争に勝つために力をかける)に特化している傾向が見える。ただ気の合う小数の仲間とだけ人間関係を作り、広げようとしない。人と積極的にかかわって、失敗しても良いからやってみようという気持ちはなかなか待てないでいる。対人関係ゲームでは活動を楽しみ、人と共に楽しむということを育むことを目標にしている…。
認知行動療法の原理を踏まえ、不登校の子ども達の心理アセスメントから支援の実際までを解説、さらに人間関係が広がるための対人関係ゲームを段階的に紹介していきます。田上先生の講座では会場の参加者も一緒に対人関係ゲームを体験し楽しく、分かりやすく学んでいきます。
(アンケートより)- 遊びを通しての人との係わり合いづくりは確かに効果があると思われます。一緒にやらせなくても見ていれば、やがてみなと一緒にという気持ちができてくるだろうと思います。しかし、そこへ参加を拒む、逃避傾向のある子どもへのアプローチが問題点と思っています。(土俵への登らせ方)
- 一方的な講義の多い中(失礼)の、いきなり会場の参加者でのゲームで、とても新鮮な気持ちになりました。私自身、田舎から参加して、周囲に知る人もいない、500人ほどの会場内で、一時的に「不登校生徒の気持ち」「対人関係に困難さを持ったこの気持ち」ってこういう状態なのだろうと実感しました。
- 以前に、県の適応指導教室連絡協議会で、お話を聞き、今日もとても関心を持って受講しました。田上先生のお話しを聞き、子どもや、保護者への話し方(口調)を反省しました。
- 大変すばらしい講演でした。人間関係の重要性を深く受け止め生徒間の人間関係や大人や地域とのかかわり、あり方等をもっと改善していくべきだと感じました。
- ゲームで動けたのがよかった。事例を含めながら話をしてくださったので聞きやすかった。スキル獲得は大切だが、それだけではだめなので、教科との融合が難しい。また、事前・スキル・事後という扱いのパターンが知りたかった。
- 私の勤務する市では現在、プロジェクトアドベンチャー(PA)に取り組んでいます。ゲームを通じて人間関係づくりをするというものですが、どちらにも共通の認識があると分かりました。目的を持つ課題をかいけつする、振り返りをする、等、あいこじゃんけんや負けじゃんけん(勝ちが良いという発想を変革させる)もPAでは行います。自信を持って、これから臨めます。
- 大変参考になりました。しかし、中途半端にかじって導入しても効果が無いと思うので、どう取り入れていくかもう少し深く学びたいと思いました。
- 認知行動カウンセリングやそれに基づいた対人関係ゲームの入門編として非常に分かりやすかった。
- 「現在の折り合い状態」使わせてもらおうと思います。価値のトライアングルも、自己理解、生徒理解に役立つと思いました。
- 田上先生のお人柄が伝わった。心理アセスメントのところをもう少し詳しく聞きたかった。ゲームの意味づけなどがよくわかった。
- 価値のトライアングルがより理解できてうれしく思いました。人生においては何に価値を見出すか、そしてバランスの大切さなどを学ばせていただきました。
- クラスの中でゲームをやる機会が前より減ったように思っていたので今後、先生の著書を参考にして、授業とかにも取り入れていきたい。先生の笑みを絶やさない話の仕方に引き込まれました。自分も生徒・保護者に対するときには優しい笑顔でいきたいと思いました。
- 時間が倍あればいいと思った。もう少し認知行動カウンセリングについて詳しく聞きたかった。対人関係ゲームも振り返りについて導入についても詳しく聞きたかった。どっちつかず消化不良な感じが残っています。とても分かりやすかっただけに残念。
- ゲームの体験も楽しく、話も分かりやすかった。学んだことを生かしていきたい。
11 「難しい$eとのかかわりの方法」
早稲田大学教授 菅野 純
子どもの教育は親抜きには語れなくなっている。子どもとの関係が良くても親との関係が悪ければ引き裂かれてしまう。子どもとのかかわりを深めていくためにも親との関係作りが大切である。
最近の親の中には非常にコミュニケーションが取り難い親たちが増えてきた。“幼さのある親”“子どもを咎められない親”“子どもと同じレベルでしか考えられない親”“育児や子どもそのものに対する知識が少ない親”、競争社会の中にどっぷり浸かり、遊び体験の少ない人たち、また自らが不登校を経験してきた人たち、さらには校内暴力の時代に子ども時代を過ごした人たちの世代が親になってきている。学校や教師に対してあまり良い感情を抱いていない人たちも多い。
保護者、親が多様化してきている。親の存在が子どもの教育に大きな影響を与えるということが、対応する先生方にとっては難しいと感じるところなのではないだろうか…。
昨年に続いて親と面接するときの心得、教師としての心構えを最近の具体的な事例を挙げながら分かりやすく解説していきます。菅野先生のユーモアたっぷりな表現は会場を和ませ、あっというまの110分です。
(アンケートより)- “この親にしてこの子あり”といった感じの問題親子に悩まされている中で、今回のお話は大変参考になった。この対応法をこれから実践してみたいと思います。
- 「未学習」を唱えて怒りを抑えて、親子に「教える」「指導する」機会を持つことが必要だと思いました。社会性については大学生も中学生も同じだと思い、若者を躾ける大人の責任を感じました。
- 具体的で分かりやすくユーモアを交えてのご講話に感銘いたしました。大変よく理解でき、明日からの指導に役立てられそうです。また先生のお人柄が指導に深いかかわりのある感じ、私もさらに努力し自分を高めようと思いました。
- 対応の難しい親の内面“そうならざるおえない何かがある”“心のゆとりがない”から攻撃的になってしまう。そんな時の対応の仕方や、たくさんの事例や経験からくる言葉には、そうかと納得するものが多くありました。
- 菅野先生の話術に今の親とのかかわりの具体的方法が理解できました。未学習と3回唱えてから向社会的な行動へつないでいく菅野先生のお話…。正論は優先順位の3から4番目がよいということ等、これから心に唱えたいと思いました。
- 難しい親へのカウンセリングの視点として「そうせざるをえない何かがある」このことをしっかりとらえることが大切だと感じた。
- 昨年に引き続き菅野先生のお会いしたくて参加しました。先生の取り組まれている姿勢には人としての暖かさを感じます。かかわり続けることの大切さと、人への寛容さを失わず接していくとき、本当に真心が伝わっていくのだと思いました。
- 講演の内容は毎日の適応指導教室で生きていくものと思います。会話の終わりに(語尾)が大切。丁寧に。というところは忘れないように、電話に貼っておこうと思います。
- 難しい親はいても、やはり人間は気持ちを寄り添うことで、安心してつながっていけるという感じがした。とても分かりやすいお話しで参考になりました。
- 菅野先生のお話を楽しみにして参加しました。「そうせざるをえない何かがあるのだろうな」と考えながらかかわるというお話が心に残りました。
- ユーモアも交えてすばらしい講演ありがとうございました。問題を抱える子の親と接していく上で相手にゆとりを持たせることが大切であることがわかりました。相手のことをよく理解して面接するように努めます。
- 先生の人柄にひきこまれ、楽しく聞けました。聞く事柄一つ一つうなずくことばかり、相談事例ご自分でもっていらっしゃることが話しに重みを加えてくれました。また来年も聞きたいです。
- 長い間、現場で様々な児童生徒、保護者、担任の先生などの相談に乗っておられる菅野先生の具体的であたたかいお話は大変分かりやすく、目からうろこがおちました。「言葉」の大切さを改めて感じました。
- とても具体的で分かりやすかった。新人の先生に聞いてもらいたいと思った。(職員も保護者とかかわらないようになっている現状です。)
- 身近な問題でした。今、直面しているので関心を持ってお聞きしました。先生の熱意も良く伝わりました。
- 現場で、日々親と接していると、校務の多忙さから、教師側の意図を汲んでもらえないと「難しい親だな」と片付けてしまうことが多い気がする。今、先生の話を伺って、頭をクリアにすることによって、二学期から具体的な瀬策がういてきました。
- 今まで親の気持ちをくみとる姿勢が自分に無かったことを気づかされた。「若い教師だから…」といわれるのが悔しくて、強い態度で話し合いに臨んでしまっていたことを反省した。親の不安な気持ちや今までの人生の中で感じてきたことをできるだけ理解していくように頑張っていきたい。
12 「ADHDの理解と支援」−医学から見たADHD−
国立特殊教育総合研究所教育支援研究部総合研究官 精神科医 渥美 義賢
ADHDの子ども達は周囲からは困った子どもと思われている一方、子ども達自身は非常につらい思いをしている。自身を語らないこともあって、一層周囲の理解を得られないことが多い。このようなADHD児本人の思いと、周囲の見る目とのギャップが悪循環となって、ADHD児における行動上の問題や学習の遅れを一層大きなものにしている。保護者自身も、子どもが家庭の秩序を乱すことが多く、子ども自身の本当の気持ちを知りそれを理解しようとする余裕を失ってしまっていることが多い。
ADHDは障害である。不注意、多動、衝動性を主症状とし、それらは脳の何らかの機能障害によっておきてくる障害と考えられている。自分の意思だけでその症状をコントロールすることは難しいが、適切な支援をうけることでADHDの行動もかなり改善が期待できる。ADHDは発達障害の中では、対応が適切であれば、かなり予後が良いことも多く、また行動面においては比較的短期間で改善する可能性を持っている…。
ADHDを含む軽度発達障害について医学的見地から焦点を当てていきます。ADHDと合併しやすい障害の紹介、ADHDの経過と予後、医学的治療についても詳しく解説していきます。レジュメも詳しくADHD理解のための必修講座です。
(アンケートより)- AD/HDについてよりODDやCDについてもう少し突っ込んで話して欲しかった。昨年この研修でAD/HDの支援をきちんとしないとODDやCDに発展していくことがあると聞き、ショックを受けました。そのあたりについて詳しく話せるのは渥美先生しかいません。来年期待しています。
- 「人生の中でその子なりの自己実現」ができるようにするために援助、支援が必要になってくる」との先生の言葉が耳に残っています。
- 多動、アスペルガーは流行しているといわれるほど安易に使われているが、多動を細かく、他角度からの診断や理解についての内容がよかった。
- 障害の根本が変わらないこと、そのために周りの支援の大切さが分かりました。また色々な分類があることもわかりました。最後に行った演習が校内でもできるといいなと思いました。小学校1年生を担任して入学後3日目、突然出現したADHDと思われる児童、暴れて学級をかき乱し、どう対応したらよいか大変困りました。質問にも的確に答えていただき、ありがとうございました。担任自身と学校全体の対応の取組を見直したいと思います。
- よくわかります。しかし、私たちが学校でする仕事の多くが、学校運営上のことや研究、開示を想定してのデータ作り、キャンプ、部活、生徒指導…。毎日10時間も学校にいて、土日も出勤。これ以上は無理かもしれません。
- 内容的には少し難しかったが、「困った子ではなく、困っている子」という気持ちで接していきたいと思った。
- 「ADHD」の疑いのある子ども達を専科として(習字)を指導しております。学校ではまだまだ管理職はじめ「ADHD」などへの理解、援助が乏しく悪戦苦闘していますが、どのようにとらえどのように指導してゆけばよいかがよくわかりました。参考にして2学期から気持ちを切り替えて頑張ります。
- すばらしい講演でした。以前に比べ、今回研修に参加して「ADHD」に対する知識、理解ができ、よかったです。しかし、まだまだ勉強不足でこれからも研修を積んで「ADHD」 についてもっと理解を深めていきたいです。
- ADHDについて分かりやすく教えていただいたと思います。実行機能の検査もなるほどと思いました。
- 子どもが生まれた段階で、親への教育として、医学的な立場の人(医者?母親学級担当の人)からの知識を教える必要が、これからの人たち、今乳幼児子育て中の人たちに必要であると思いました。このような行政的な施策への提言を先生のようなプロ中のプロの方から行っていただきたいと思いました。若い親が子どもの一般的な成長過程について、あまりに無知であると思っています。
- 今まで気にしていたADHDの指導はどうあるべきか、について医学的立場からの先生のお話で胸につかえていたものが取り除かれたように感じました。障害についてよく熟知した上でさらに個人を知り、指導支援に当たることが大切であると思いました。専門的で難しいこともありましたが、新たに知ったこともあり、今後の指導に生かせそうです。
13 「LD・ADHDと呼ばれる子ども達」−新しい特別支援教育活動の展開−
東京学芸大学教授 日本LD学会会長 上野 一彦
第一次世界大戦後、脳の研究はかなり進んできた。それと同時に子どもの中にも行動的にみて、脳の問題ではないかと思われるケースが見られてきた。軽い脳の問題を感じさせる子ども達をMBD(1950年大から60年代の医学用語)と呼ぶようになる。1963年、アメリカでは重度の発達障害から軽度の発達障害に関心が移っていった。その時、それまでの概念や言葉には当てはまらないが、部分的にできることやできないことがある子ども達のことをLD(ラーニング ディスアビリティー)と呼ばれるようになる。そしてLDという概念が一気に全米に広がっていった。
1975年にはアメリカ政府は教育の中で障害としてはっきり認識された。一方、多動については一時忘れられていたが、1990年ごろから、アメリカを中心にこの多動という問題が教育の中で目立ってきた…。
軽度発達障害といわれる子ども達とは何か、世界の認識と日本の認識の違い、どんな指導が有効なのか、さらにはこれからの課題に至るまで、LD・ADHDと呼ばれる子ども達の特別支援教育活動の展開を解説していきます。
(アンケートより)- 非常に刺激された。やや理解できない箇所があったのでさらに詳しく学習していきた。
- 近年の動向を詳しく説明していただいてよくわかった。養護学校の教員としてもっと専門性をみにつけなければならないと思った。自分にはアセスメントの技術がないと感じたので今後研修に参加して身につけたいと思った。
- 高校の教員です。高校2年の担任をしていますが、生徒に「変わった子」が以前より増えているような気がします。対応に苦慮しているのですが、高校でもLD・ADHDなどの研修や勉強の必要性を感じました。
- ADHDの子のよいところも取り上げていたので、子どもの長所を見る良い例がでてよかったです。LDについては、あまり研修会などでも取り上げることが少ないので、LDについてもう少し具体的な支援の方法が知りたかったです。
- 特別支援教育の流れがよく分かりました。担任一人で抱え込まなくてよくなりそうという見通しがもてました。ただすぐには無理のようです。それまでに体がもつとよいのですが。
- 特別支援教育がどういう方向へいくのかという見通しが少し持てて安心しました。パニックになっていた部分があった。
- LD・ADHDなどの内容、歴史、現在の位置付け、実態、、特別支援教育の方向性、かかわり方等、特に知りたかったことがたくさんあり、とても参考になりました。
- LD・ADHDについてきちんと理解しなおすことができてよかった。
- 障害児学級は養護学校など、これまでにある選択肢との絡みをとても分かりやすく伝えていただきました。
- 歴史や言葉の定義など分かりやすく教えていただきました。後半の「理解と指導」の部分についてもう少し具体的にお話いただけたらと思います。
- 漠然としていたものが、今日はすっきり整理できたように思います。
- 特別支援教育の中で不登校対策の方向性が見えた気がした。特別支援教育の全体像が大変よくつかめ、また、LD、ADHDの各論についてもエッセンスが凝縮されていて大変有意義でした。
14 「不登校にしない幼児期の配慮、問題行動の直し方」
−親子の関わり・幼児教育の本質・問題行動を防止する−
国際学院埼玉短期大学教授 金子 保
文部省(当時)の不登校対策委員になり、原案作成の責任者にもなった。しかし、不登校は減らなかった。調査の結果、幼児期に不登校の原因と思われるものがたくさんあることが分かってきた。
子ども達は、どうしてこうも変わってきたのだろうか。最近、LD、ADHD、アスペルガー、高機能自閉症など軽度発達障害といわれるケースも多く見られるようになってきた。そしてそれらは脳の障害であるという。しかし、脳の障害だからそれは治らないのか。脳の障害であるということを覆そうというのではない。学習障害にしても本当の意味での学習障害のケースと学習障害的な症状を見せているケースがある。後者の場合“経験欠落”という視点も必要なのではないだろうか。
子どもの変質の原因には育児環境の変化があげられる。エンゼルプランにより保育時間は長くなったが、その分、家庭でのコミュニケーション時間は少なくなっている。地域にあった情報交換、相談機能も失われつつある。幼児期のかかわりをもう一度見直しながら小中学生期の問題行動の予防について考えてみたい…。
小中学生期に起こる様々な問題行動を予防するためには幼児期にどのような配慮、かかわりが必要なのか、それぞれの問題行動に対する具体的なアプローチの仕方、指導方法を分かりやすく解説していく。金子先生独特の口調は聞いているものをどんどん金子ワールドへと引き込んでいきます。
(アンケートより)- 乳幼児期の環境が大きな力を及ぼす大切さと社会の変化が親子関係に及ぼす影響を知りました。
- 具体的な子どもの行動と、その制止する方法を体を動かして見せてくださり非常に分かりやすかった。
- 2回目の参加でした。金子先生のエネルギッシュな話術にユーモアとメリハリの利いたユニークさで、あきることなく、午後の眠い時間帯を興味深くお話を聞くことができました。
- 幼児期の大切さをつくづく感じました。自分の子育ての経験を重ねるところや思い出されることが多くて楽しいお話でした。でも高校生を相手にしている私にとってどうしたらよいのか…。何か少しでもヒントがあれば…。
- 自閉性のある子について3歳ごろまで早めに笑わせると劇的に情緒が発達するというお話が一番心に残りました。ややマイクを離したやさしい話され方が心地よく…。いいお話だと思いながらウトウトしそうになりました。(すいません。)
- 幼児期の教育がどれほど大切かを深く実感しました。一子の親として、先生の今回の講演を聴いて参考にし、これから取り組んでいきたいと思います。
- いつも話術が豊かで聞いていて楽しいです。具体例が豊富なのがとてもいいです。小学生の事例などもまた研究して講演してください。
- 多くの実践的経験から分かりやすい話だったので聞きやすく、幼児期のかかわりの大切さを痛感した。
- 幼児期の対応の大切さが具体的によく分かりました。一般的な親の経験不足や遊ばせ方の下手なことは、まさに同じです。ただ幼稚園の職員もその傾向が出てきているのがとても未来に不安です。
- 多くの実践に裏打ちされた講義で、よかったです。幼児期が大切ということで、明日からの取組に励みがでました。
- 簡単にLD、ADHD、自閉症などと決めつけずに、色々な角度から、その子の行動を捉えよう、理解しよう、対応しよう、という姿勢がすばらしいと思う。
- 押さないときの働きかけで、自閉症などがずいぶん良くなるというのは驚きだった。もう少し詳しく知りたかった。
- 自分は中学校ですから、学校現場での活用という面では参考までに…という感じでお聞きしましたが、幼児が成長し、中学生になるのですから、自分のできる範囲で広く幼児にかかわっている方に伝えていかないといけないと思った。
- 勤務先が高等学校なので席をはずす予定だったのですが、自分もいずれ子育てを経験する身として、聞いてよかったです。エネルギッシュなお話に、聞き入りました。
- 問題行動を防止するには幼児期のかかわりが非常に大切であるということが、数々の実践例を通してよく分かりました。大変参考になりました。
- 自由保育は確かに悪です。やっとこの頃そのことが公立園でも分かってもらえてきましたが、大変でした。中学まで引きずります。楽しかったですが。
- LD的、ADHD的、自閉的は乳幼児期の育て方と因果関係があるということは漠然と感じていましたが、多くの臨床の結果の分析でよく理解できました。また、不登校から再登校までの指導のプログラムは大変参考になりました。赤ちゃんのときに「笑う」ことの重要性も再認識できました。
- 全人格発達法という言葉をはじめて聴きました。手塩にかけて育てるという言葉がありますが、まさに、それを実感させる育て方ですね。便利な社会が子どもにとって、不幸な社会にならないようにと願わずにいられません。ありがとうございました。
15 「不登校・ひきこもり・出社拒否」
−概念・実態・対応についての実証的研究より−
北の丸クリニック所長 (社)青少年健康センター常任理事 倉本英彦
ひきこもりと不登校の関係は非常に深い。ひきこもりの方の不登校経験は約4割であるという調査結果が出ている。しかし、臨床場面で見れば6割から7割になるのではないかと感じる。学生時代に不登校経験がないケースでもひきこもりはある。しかし、不登校の特色ときわめて類似しているといえる。潜在的に不登校になってもおかしくなかったような人が20歳を過ぎて何か適応に躓いて、ひきこもりになったというケースが多く見られるのである。不登校とひきこもりというのは本質的に同じ現象である。
ひきこもりへの対応は医療、保険、心理、教育、福祉などの多職種・多施設間の連携協力なしにはなし得ない…。
臨床精神科医である倉本先生が最先端のひきこもり事情を踏まえ、豊富なレジュメをもとに社団法人青少年健康センターにおける臨床的実践活動を紹介していきます。
(アンケートより)- 卒業してもひきこもる生徒はいるが、半数ぐらいが30以上になっても回復できないのがショックだった。
- 友人のお子さんがひきこもり状態の方がいらっしゃるので、とても切なく事例など伺っていました。彼はとても優秀なお子さんだったので、社会でその能力を生かせたらと、とても残念に思っています。社会が彼らを排除している面があるのかもしれません。
- 民間として取り組むことの大変さがよく分かります。医療機関ではなかなか相談できないことでも聞いてもらえるのは親としてありがたいことです。今後もぜひ続けてください。
- 官には、ひきこもりの問題に対応できる窓口が無いので、親御さんの苦悩の深さが思いやられる。そんな中で、グループ活動を通して少しずつ社会との接点を作り、他者との絆を太いものにしていこうとする民間の地道な営みには頭が下がった。
- 小・中・高とバトンを渡されるように生徒を受け入れ、対応する日々を送っていますが、彼らを見送ったら、その後のことは祈るほかない私たちです。不登校の未来と過去に、思いをめぐらせることができました。
- 知れば、知るほど恐怖心が出ます。人が人を育てることの難しさ、自分の子であっても相手のペースを守る、命の営みに親が目を、心を向けないと、どうしょうもない人間が出来上がり、本人はもちろん、親、まわりが苦しむことになると思いました。
- ひきこもりについて社会で、特に地域社会でのフォローの体制ができていることがよくわかりました。地域の体制をどう利用するのかが学校での今後の課題かと思えた。
- 不登校もひきこもりも状態像を示す言語であって、その原因が病気からくるものか、環境から来るのか、見出すまでにとても時間を要するものだと思いました。やはり、学校のみで解決できるものは少なく、教育センターや相談員の方とのれん慶賀これからますます重要となってくると考えました。
- 不登校、ひきこもりなどについてドクターのお立場からお話、興味深く拝聴させていただきました。センターの活動内容で、“ハウス”や“クラブ”や“社会参加支援活動”“相談的家庭教師”などがあることをはじめて知りました。私自身、大学時代、教員になってからも不登校、出社拒否などを経験しましたので悩める人達のためにも先生のご活躍を祈念いたします。ストレスの強さから、誰が、いつ、ひきこもりになるかわからない社会、子ども達だけでなく、大人のひきこもりも、重要な社会問題だと思っています。現実にいる不登校児に対して、2学期からの接し方を考え直してみたいと思いました。
16 シンポジウム 「不登校‥その時、どう対応するか」
NHK週刊こどもニュースキャスター 池上 彰・パネラー 不登校体験者&保護者
毎年恒例の体験者の生の声を聞く講座です。今回は体験者と共に、親として子どもを見守った親の方にもパネラーとして参加いただき、親、子両面からお話を聞いていきます。池上キャスターの巧みなリードでお話は深まってきます。
(アンケートより)- 不登校になった子が人前に出て経験を話せるようになることはすごいことだと思いました。みんなが乗り越えて社会生活できるようになればいいですね。学級担任のできることってなんだろうとつくづく感じました。
- 語りがたい部分、語るのがつらい部分をよく話してくださったと思う。個人的な経験では8年から15年ぐらいして初めて不登校のころの思いを語り始めてくれる生徒はいたが、まだ記憶も生々しく、つらいところもあったことと思う。せっかく伺えた話なので、これからの生徒や保護者とのかかわりに生かしていきたいと思う。
- 具体的な話が聞けてよかったと思います。今の子育てに父親の存在が希薄ではないかと感じました。またゆったりと生徒に向かい合える教師側のゆとりも必要だと思います。
- 子ども達のお話、とても勉強になりました。我が子も思春期なので、それと比べながら、考えさせられることがたくさんありました。
- 経験された生の声を聞くことができた。親や本人を支えることが、すぐに結果は出なくても、大切だと感じた。
- 我が子は不登校まではいかず、ひきこもりきってはいないが、それに近い状態です。高校1年を留年し、今、高3です。T君の話している内容がかなり類似していて驚きました。まだまだ、これから何があるのかわからないので、不安を抱えています。たくさん聞きたいこともあるのですが。
- 実体験に基づいた話なのでとても勉強になった。本人達の気持ちや親の気持ちは、こんな感じだということを知ることができてよかった。Nさんの言うような手を握ってあげたり、悩みを聞いてあげたりするような心遣いのできる先生になりたいと思った。
- 保護者の方の声を聞けてよかったです。不登校の生徒がたくさんいます。彼らも少しでも早く立ち直ってくれるよう支援できたらと改めて思いました。
- 自分の過去を大勢の前で暴露することであったと思う。気持ちはどうだったのだろう。体験者の話を聞くことは有役ではあった。しかし、好奇心の気持ちがなかったわけではない。
- 校内での不登校の方の「親の会」を年3回以上開いていますが、さらに呼びかけてその和を広げたり、つながりをもっと深まるような工夫をしていこうと改めて思いました。色々な体験談を話していただき、本当にありがとうございました。池上さん、このように聞いていけば話が深まっていくというよい聞き方、聞き出し方を見せていただきました。(中学校内の相談窓口をしています。)
- このような不登校体験者や母親の話を聞く機会はめったにない。とてもありがたいことだと思う。勇気ある行動に拍手を送ります。大変勉強になりました。私も現場で、できることに努力したいと思います。
- 池上さんのコーディネートはたくみで、4名のパネラーの方々から本音を聞かせていただき、とても有意義な時間を持つことができました。その時その時の苦しみ、そしてそこを回避せず、もがきながら一つ一つ問題点を取り組んできた過程は私の今の仕事に対してとても参考になりました。元気をもらったことは、つまりそれは寄り添うこと、共感、共苦の精神なのですね。
- 体験者の話はとても参考になりました。どの子もどの親も、同じ体験を持つ人と共感したりすることで、乗り越えていける部分が大きいのだと思いました。また、子どもの気持ちを聞かせるような養護教諭としての雰囲気が持てるとよいなと思いました。
- 不登校体験者だけでなく、保護者の話も聞けたのがよかった。父親の家族での役割を考えさせられた。もっと子育てに参加するべきだと思う。
- 子ども自身と母親の話、それぞれの思い、考えがよく分かりました。フリースクールでの親のグループカウンセリングで親たちは助けられたことは私もとても大事なことであると感じました。現在、私も日曜日にフリースクールで支援しておりますのでとても参考になりました。
- コミュニケーションのとり方を教えられたこと、保護者同士の集団カウンセリングが効果的であったとのこと、とても参考になった。ただ、できれば完全なひきこもりの生徒への対応の仕方についてパネラーがでていられればもっとよかったと思う。
- 父親の立場や役割について聞いてみたかったと思います。父親の存在がとても薄いし、あまり話しに出てこなかったことが気になりました。
スクールカウンセラーへのスーパーバイズ研修を始めます
10人前後のスクールカウンセラーのグループを作り、臨床事例を共有しながら、スーパーバイザー(牟田武生)がアドバイスを行い、スクールカウンセラーの力量をアップしていくことを目的にします。
10月から平成17年9月まで、月一回、スクールカウンセラー「スパーバイズ 研修」を全12回で行います。
日程:12月18日、1月15日、2月19日、3月12日の各土曜日の15時から17時まで
※現在日程が確定しているのは3月まで。4月以降は随時決めていきます。
興味のある方は是非お問い合わせください。(NPO法人教育研究所)
第14回全参加者数:1145名
内訳
(アンケートより)- 大阪会場参加者:309名
- 東京会場参加者:836名
- 両会場参加者:17名
- 招待者:10名
参加者内訳
(アンケートより)- 小学校:361名
- 中学校:241名
- 高等学校:128名
- (中高併設学校については中学で登録)
- 養護学校:35名
- 大学職員:4名
- 教育委員会(教育センター・適応指導教室・教育研究所含む):36名
- 児童相談所:5名
- 保育園:84名
- 幼稚園:129名
- その他(他の教育機関・施設などを含む):82名
- 学生:23名
※両会場参加者が17名いるため、参加者内訳の合計と全参加者数が異なります。
都道府県別の参加者内訳
| 秋田 | 5 | 岐阜 | 6 | 愛媛 | 5 |
| 青森 | 4 | 三重 | 6 | 福岡 | 13 |
| 岩手 | 5 | 滋賀 | 0 | 佐賀 | 5 |
| 北海道 | 6 | 大阪 | 64 | 長崎 | 10 |
| 東京 | 156 | 京都 | 34 | 熊本 | 3 |
| 神奈川 | 93 | 奈良 | 10 | 大分 | 5 |
| 千葉 | 74 | 和歌山 | 6 | 宮崎 | 3 |
| 茨城 | 60 | 兵庫 | 19 | 鹿児島 | 7 |
| 栃木 | 25 | 鳥取 | 14 | 沖縄 | 9 |
| 埼玉 | 68 | 岡山 | 37 | 福井 | 10 |
| 群馬 | 29 | 広島 | 34 | 石川 | 13 |
| 長野 | 9 | 山口 | 9 | 富山 | 6 |
| 山梨 | 11 | 香川 | 4 | 新潟 | 21 |
| 静岡 | 39 | 徳島 | 0 | 福島 | 10 |
| 愛知 | 82 | 高知 | 17 | 宮城 | 8 |
| 山形 | 6 | 島根 | 4 |
第14回教師&専門家のための不登校問題研修会 収支報告
(アンケートより)- 受講料(有料1145名):\16,278,000
- 平成16年度決算終了後活動費:¥200,000
- 平成16年度パンフレット作成費:¥500,000
- 平成16年度DM発送費:¥2,000,000
- 前年度繰越金:¥3,000,551
合計:¥21,978,551
| (1) | ホール借料(機材借料、技術者料含む) | \1,669,857 |
| (2) | 講師お礼(111,111円×19・10,000円×4)(源泉含む) | \2,151,109 |
| (3) | 講師交通費(5,000円×7、15,000円×1、35,000円×4、10,000円×1、3,000円×6、7,000円×1、25,000円×1) | \250,000 |
| (4) | スタッフ用役費 | \3,294,000 |
| (5) | ボランティア交通費 | \662,096 |
| (6) | 食事代(講師・ボランティア昼食、打ち合せ費用含む) | \374,000 |
| (7) | スタッフ宿泊費 | \556,570 |
| (8) | 郵送費 | \3,243,182 |
| (9) | 印刷費 | |
| パンフレット | \566,000 | |
| 封筒 | \391,722 | |
| 講義ノート | \2,078,590 | |
| 他印刷物(受講証他) | \438,890 | |
| ラベル出力・名簿管理 | \421,672 | |
| (10) | 雑費 | \220,114 |
| (11) | 事務用品費 | \795,618 |
| (12) | 事務諸経費(電話代等) | \360,000 |
| (13) | 支払い手数料 | \56,375 |
| (14) | 第14回研修会参加者への報告及び研究会通信発送費 | \250,000 |
| (15) | 決算終了後の活動費(交通費・電話代等) | \200,000 |
| (16) | 次年度発送費 | \2,000,000 |
| (17) | 次年度パンフレット作成費 | \500,000 |
| (18) | 次年度準備金 | \1,498,756 |
| 合計 | \21,978,551 | |
『すぐ教育実践に使えるカウンセリング&ケースワーク研修会』開催見送りついてのお詫び
今冬、富山県宇奈月温泉「ホテルニューオオタニリゾート」にて開催を予定してまいりました平成16年度冬期セミナー教師&専門家のための『すぐ教育実践に使えるカウンセリング&ケースワーク研修会』は誠に残念ではございますが、今年度は開催見送りとなりました。
7月1日付けで、文部科学省に申請しておりました冬期セミナーの後援名義の使用許可が、冬期の研修会については実績不足(初回開催)という理由から、9月 16日に見送が決定しました。そのため予定していた、文部科学省の後援名義の基に行う予定であった市町村教育委員会を経由しての学校への告知が困難となり、開催見送りを余儀なくせざるを得なくなりました。
お問い合わせ、またお申し込み頂きました皆様には大変ご迷惑をおかけいたしました。心よりお詫び申し上げます。
