インフォメーションクラブ便り59号
桜が咲いたなぁっと思ったら、もう新緑の季節が始まりました。教研の新学期もゆっくり、それぞれの形で始まりました。
皆様にはもうお伝え致しましたが、教研は新学期のスタートと共に、社団設立に向けた動きから、NPO法人設立に向けた動きへ大きく舵を切る形になりました。動いている子、動き出した子、動き出そうとしている子、まだ動きが見えない子。教研としてどんなことができるのか。それぞれの形を大切にした今までの教研の良さを生かしつつ、さらにより良い形での運営を目指していきます。
文部科学省SSP「不登校児童・生徒適応指導総合研究委託」の調査研究報告(1)
文部科学省SSP「不登校児童・生徒適応指導総合研究委託」は平成15年3月末に、神奈川県教育委員会に提出し、無事4年間の調査研究は終了致しました。14年度の研究で分かった主な内容の一部は次のようなものでした。
YG検査で一般的な高校生と比較してみると、C類(情緒安定消極型)とE類(情緒不安定消極型)が3倍弱多いことが分かった。
C・E類のひきこもり期間は、他のA類(平凡型)B類(情緒不安定積極型)D類(情緒安定積極型)に比べ、長期化し、C類の40%、E類の32%が3年以上ひきこもっていることがわかった。
C類の28.5%。E類の35.1%が大人になっても学校や社会に適応できない社会的ひきこもりに移行していくことが確認できた。
まとめ
平成4年の「文部科学省の不登校に対する答申」以降、学校や保護者の不登校の児童・生徒の対する対応の変化によって、C類のタイプの占める割合が12%から30%に増加した。このタイプは「そっと見守りましょう」という対応をすると、二次症状から生活リズムが乱れ、無気力になり、アパシーに移行していくことが多い。C類は不安や葛藤は少ないが、なかなか社会適応せずに長期化していくので、時期に応じたしっかりした対応をしていかないと、今騒がれているような大人になっても、社会適応できない「社会的ひきこもり」に移行していくので注意が必要です。
早目に検査を行ない、タイプに応じた対応が急務であり、時間がたてば立つほど対応が困難になります。
これらの調査研究で科学的データに基づき解明した内容は、我が国で初めてのことであり、日本経済新聞社・時事通信社等が取材に来ました。今回は時事通信の配信記事をインフォメーション通信に掲載します。
2003年4月18日「内外教育」より〜
「受容」偏重が不登校増加の原因?−性格により登校刺激が必要な場合も-
横浜の民間教育施設が調査
不登校の児童・生徒に「登校刺激」を与えるか、気持ちを受け止める「受容的対応」を行うかはその子の状態によって決める必要があるのに、受容偏重の対応がかえって全国的な不登校の急増を招いている−。こんな可能性をうかがわせる調査結果を、不登校児童・生徒にカウンセリングや学習指導をおこなっている民間教育施設「教育研究所」(横浜市、牟田武生所長)がまとめた。一九九九年度から四年間、文部科学省が適応指導教室などに委託した「スクール・サポート・プログラム」の一環として実施したもの。不登校問題については同省の調査研究協力者会議が四月十一日に発表した最終報告で、画一的な対応をせずに「適切な働きかけ」を行うよう求めており、調査結果はそうした提言を後押しする格好となった。
ひきこもりタイプにも2種類
調査は、これまでに同研究所がかかわってきた不登校児童・生徒のうち、特異なケースを除いた百五十人を対象に実施。過去に蓄積した検査データを分析するとともに、二十八項目にわたるアンケート調査を昨年新たに行った。
分析にあたっては、代表的な性格検査である「YG性格検査」を主に使用。これにしたがって回答者の性格をA類(平凡型)、B類(不安定不適応積極型)、C類(安定適応消極型)、D類(安定積極型)、E類(不安定不適応消極型)の五タイプに分類している。YG検査のデータがある百二十三人について集計した各タイプの比率と、同テストの手引書に示された高校生の各タイプの出現率を比べると、以下のようになる
| 不登校児童・生徒 | 高校生 | |
| △A類 | 24% | 39% |
| △B類 | 13% | 14% |
| △C類 | 17% | 6% |
| △D類 | 16% | 30% |
| △E類 | 30% | 11% |
高校生と比較して不登校の児童・生徒に目立つのが、いずれも積極性に乏しい性格とされるC類とE類の出現率の高さ。ともに高校生の約三倍だ。二十八項目調査をみても、「ほとんど外出しない」ことがあったとする回答が各65%、74%と他の性格タイプに比べ15ポイント以上高くなっており、不登校になれば「ひきこもるタイプ」(調査報告書)という共通点がある。
両タイプの大きな違いは、C類が情緒的に安定しているのに対して、E類は情緒不安定だという点にある。二十八項目調査をみても、「孤独や寂しさを感じる」「ぼんやりしていることが多い」といった精神的不安定にかかわる項目の平均値が、E類は五タイプの中でも最も高かったのに対し、C類は下から二番目とむしろ低い方だった。
調査ではさらに、タイプ別にどれだけ学校に適応できたかを集計し、必要な対応を探っている。小学校中学校時代は学校復帰できなかったとしても、高校を卒業できたり、高校を中退しても専修学校などに通えたりした人を「学校適応できた」とみなしたところ、対応によって学校適応できた比率(学校適応率)はA類83%、B類82%、C類71%、D類94%、E類65%だった。
情緒が安定し、社会的な適応力もあるD類は、大多数が学校適応を果たしている。その理由について報告書は、このタイプがもともと「学校生活に起因する問題」で不登校になるケースがほとんどのため、「しっかりと心の整理をして自信をつければ学校社会に最も復帰しやすい」と分析する。同様に、A類も様々な誤解を解いて安心できるようにしてやれば、長期化する前に再登校が可能になるタイプ。B類は情緒が不安定で非行に走りやすい性格だが、感情がコントロールできるようになれば学校にも適応できるとしている。これらに比べればC類、E類はともに学校適応率が低い。但し、その理由は違っているようだ。
報告書によると、C類は情緒的に安定しているために不登校の初期の状態はそれほど深刻ではないが、対応を誤ってしまうと現実逃避や退却行動に陥り、学校に行けない状態が長期化してしまう。ひきこもった状態から学校復帰を図るためには徐々に行動範囲を広げ、成功体験を重ねていくことが必要になるという。
一方、「ひきこもり、不登校の中核」(報告書)であるE類は、対人不安が強い。そのため長い時間をかけて、信頼関係を築きながら対応していくことが求められるとしている。
(次号へ続く)
毎月1回親の会でミニ図書館を開いています。
教研にお世話になった私たちが持ち寄った本が300冊以上にもなっています。皆様方に利用していただければと思っています。親の会ではお母様方が集まっておしゃべり会などもしています。同じ悩みを持つ同志、愚痴を言い合ったり、話を聞いてもらったりと、自分の素のままでいられるホット一息つける場所です。おしゃべりした後、少し笑顔になって帰れる気がします。1人で悩むよりも、皆で考えた方が、いい案が浮かぶかもしれません。お待ちしています。
インフォメーション会員の方ならどなたでも貸し出しを行っています。予約の必要はありません。お気軽にお立ち寄りください(卒業生の母)
- 日時
- 5月31日(土)午前10時〜12時
- 6月28日(土)午前10時〜12時
土曜カウンセリングを行っています
平日にカウンセリングの時間を取るのが難しいという方が、最近特に増えてきたこともあり、月に1度、土曜日にカウンセリングを行っています。月一度ということもあり、早めに予約が埋まる可能性があります。よろしくご了承ください。
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- 予約はお早めにして下さい。
次回講演会は『僕達が不登校になった理由』=同名の新刊本書けなかったこと=
- 日程:平成15年5月31日(土)
- 場所:ゆめおおおかオフィスビル内ウィリング横浜503号室
- 講師:牟田 武生
毎年夏の終わりに行なわれる教師向けの研修会の中で、最も毎年人気があって、実りがあったと感想が寄せられるのが、NHK週刊こどもニュースのキャスター池上彰氏が司会をする“不登校体験者の子ども達のシンポジゥム”だ。学校や社会に復帰した子ども達が、過去の不登校体験を自分の考えでまとめ、自分の言葉で素直に語る。そこにはテレビ番組でひきこもった青年達が語る誇張も脚色もない。また、他のフリースクールに通う不登校の子ども達が語る大人じみた学校批判もない。あるのは自分の弱さや脆さを素直に認め、客観的に親や先生を分析し整理して、自ら生きる力を付け、学校や社会に復帰していく姿だ。(同名の本、まえがきより・オクムラ書店)
子ども達が動けるようになった背景には、親の対応、カウンセラーや教育研究所のスタッフの支えがあった。それを振り返りながら子どもへの対応を考える。【5月末、全国書店にて発売予定】
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新学期が始まりました。今年度も引き続きグループカウンセリングを行っていきます。教研に在籍している保護者の方々、教研にお子さんを通わせたいと考えていらっしゃる保護者の方々が対象です。様々なケースを取り上げながら対応の仕方を探っていきます。ご一緒に考えながら学んでいきましょう。
- 日時
- 5月31日(土)
- 6月28日(土)
- 7月12日(土)
- いずれも時間は午前10時から12時です。
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